去年の今頃は、クリスマス休暇だったの?と聞かれて、去年の今頃何してたか、思い出してしまった。好きだった人に、告白するとかしないとか、言っていたなあ。あっさりとふられてしまったけれど。なんだか、くそがつくまじめで、すこしばかで、背が高くて、恋愛よりも生きるか死ぬかが重要そうなひとだった。いつもながら、わたしはひねくれているのだけれど、手に入らなそうで、わたしに振り向かなそうなところが、更に夢中にさせた。あれから一年経ったけれど、もう鳴ることのないフランスの携帯しか知らなくて、東京は狭いから、いつか、という淡い期待を持って、わたしは新宿のラッシュに揺られて、家に帰ってきたのでした。