おろしたてのユニクロのカーディガンが思った以上に温かかったのと、肌触りが優しいのとで、摩耗の速度が緩やかになった気がした。昨日も帰りが遅かった。朝に弁当を作るはめになり、一番ぎりぎりの電車に乗って会社に向かう。今朝はそれほど混んでいなくて、網棚に鞄を置いて小説の続きを読んだ。バランスは崩れていない、むしろ精神は正常だ。故に冷静に分析しすぎているきらいがある。
穏やかだ、穏やかだ、と一日中言い聞かせる。なのに帰りの電車で足を踏まれた瞬間にやっと目が覚めて、クソっと思う。わたしはどこへ行くのだろう。