私の一生の中で、彼女以外に、100%すべてを無条件で許せる相手はいないんじゃないか。
だから、100%好きになるのが難しい他人が家で待っているのは、なんだかむずがゆい感じがした。(昨日から、友人が住み着いている。自分も困っているのに、困っている人を拾ってしまう癖があるようだ。)わたしは遅くまで働いているけど養っている訳じゃないし、Mはそれなりに滞在費を払う訳だし、わたしたちには利害関係はないこと、だから家事や掃除やをわたしのためにする必要はなくて、対等でいたいということや、でも共同で生活するための最低限のルールのこととかを言ってやろうと、電車で本を読みながら考えていた。でも、帰ったらカレーのにおいがして、雨に混じった空気が家に入って、明かりが付いていて、なんだか気が抜けてしまった。わたしのすきな中辛ではなくて、砂糖が足されていて(!)びっくりしたけれど、タバスコを入れて食べた。そのことにMはなにもいわない。静かにデザイン画を描き続けてる。わたしは、こっそりMのことを書いている。そして今日一日のいろんな波のことを思う。読むたびに違う人が書いたのじゃ と思う、よしもとばななの小説を考える。ほんとうは眠りたいときに眠りたいのだけど、ちょっとつきあってわたしたちがパリにいた頃の写真をみる。そしたらお風呂に入って、今度こそ寝よう。