一つの確実な原因があるわけではない場合の問題はややこしい。ほとんどの場合はそうなんだろう。一つの事柄が占める割合が多いから、それが原因だといつもは思ってしまうんだろう。でも今回のは、きっかけがものすごく些細でどうでもいいことだったから、自分でも説明できず余計手に負えない。暑くて、はずしたストールが、気づいたら鞄から消えていた、ただ それだけ。本当にそれだけなのに。悲しさとさみしさが猛烈にこみ上げてきて、直前に会っていた友人との楽しかった会話も、おいしかったケーキもコーヒーもみんな吹き飛んでしまった。きっと今日じゃなくて、いつか違った日だったなら、なんともなかっただろう。週の頭からなんとなく片隅に居座り続けていた不安感が起爆剤を見つけたって感じだ。いたたまれなくなってハハオヤに電話してしまうほどの動揺で、驚いていた。わたしも、母も。でも、考えて考えた結果、こういうときに気兼ねなく電話できるのは身内だけなんだという事実がまた悲しさを増す。たすけて、この重みに 耐えられない。
このこびりついて消えないさみしさを料理し遂げるコックはどこに?