ごめん、ごめんねと思う。何に対してだろう。私があなたを好きだったことだろうか。それを忘れてしまおうと決めたことだろうか。
忘れたい事実は、反芻するから忘れることができない。記憶として蓄積されていく。いいことも、悪いことも。
ラジオから宇多田ヒカルprisoner of loveがかかったとたんに、胸騒ぎのようなものがして、頭が真っ白になった。静かに動悸がしていた。
なぜなのか、わかっていないのに謝られるのは、わたしが最もむかつくことだけど、でも、ごめん。ごめんね。