世界の終わりはそこで待ってると思い出したようにきみは笑いだすー
デビュー曲にして、すでに完璧だ。今もこうして、わたしを何とも言えない気分にさせられるし。


過去は誰にだって平等にある。それは、世界が平等なわけじゃなくて、過ぎた時間は誰にでもあるということで、わたしだけが特別ではないということ。月曜日なのに奇跡的な時間に仕事が終わって、こんな日は決まって携帯を持っていなくて、昨日図書館で借りた本を読みながら帰宅する。本の選択を間違った。のまれた、とは思いたくないけれど、それ以外では説明できない。忘れていた記憶を掘り起こされたというのに近いな。どっちにしてもわたしは運が悪いのだろう。そういうことにして片付けていたのに、思い出してしまった。主人公ほどではないにしても、なにもなかったことにしていたのに。でもそのことをわたしは一生誰にも話さないだろう。この先、小説家になる予定もないことだし。